コンタクトレンズと視力矯正の関係性について検査員が解説!
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コンタクトレンズと視力矯正の関係性について検査員が解説!
コンタクトレンズを合わせていると、視力調整のときによく聞かれることがあります。
「コンタクトにすると視力がもっとさがるの?」
「度数を変えたらもっと視力がさがるの?」
「メガネの方が視力維持できると聞いたんだけど?」
聞いてくる方にも色んなニュアンスがあるのでもっと細かく聞き取りをしないといけないのですが、簡単に言うと「視力矯正って悪」みたいな印象を持っている方もいるということです。
今回はコンタクトレンズと視力矯正の関係性についてお話したいと思います。
そもそも視力が下がる原因とは
普段見えていたものが、どんどん見えなくなっていくことは不安だったり、ストレスに感じることがあると思います。
成長時期の変化
コンタクトレンズに限らずメガネなんかも含めれば、視力矯正が必要になってくるのは、中学生とか高校生くらいからではないでしょうか。
早い子なら小学生でもメガネをかけていたりしますしね。
裸眼の状態で生活できていたはずがどんどん見えなくなっていく理由は大きく2つあります。
- 眼球の大きさの変化
- 角膜(黒目)の形状の変化
目というのは外からの光が透明な角膜をとおって目の奥の網膜というところに達したときに「見える」という状態になります。
カメラをイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。
角膜(黒目)がカメラでいうレンズ、目の奥の網膜がフィルムです。
(デジカメじゃなくアナログカメラですみません)
ここで一旦ピントを合わせた状態から、フィルムを動かしてしまったらピンボケしてしまう状態がイメージできるでしょうか。
また同じく一旦ピントを合わせた状態から、レンズの形を変えてしまったらフィルムにうまく像が写らないこともイメージできるでしょうか。
視力が下がるというのも同じようなことです。
小学生から高校生くらいまでの間は成長期で体が大きくなる時期で、それと同時に目の大きさや黒目の形も変化しやすい時期となるため視力変化が起こりやすくなります。
大人になってもかわることはある
すでにコンタクトレンズやメガネを使用されていたとしても、基本的に視力低下の原因は上でお話した内容にあてはまります。
成長期よりは体が安定してきているので、ずっと変わらないという方も多いですが、絶対に変わらないということでもありません。
コンタクトレンズ使用者に多いこと
これは検査員としてはすごいあるあるネタなんですが、コンタクトレンズ使用者の視力が下がったと思う理由のひとつに、
「健康診断で視力が下がっていると言われた」
という方がメチャクチャ多いです。
まあそれをきっかけに眼科受診に来られるのは悪いことではないのですが、そのほとんどは「気のせい」であることが非常に多いということです。
少し言い方が悪くなってしまいましたが、コンタクトレンズ使用時の視力低下の原因は目の問題だけではないことが多々あります。
視力測定時に、
- レンズは清潔だったか
- 目が乾いていなかったか
- 仕事の合間などで疲れていなかったか
- 簡易の測定器ではなかったか
レンズが清潔かどうかはワンデータイプ以外の種類を使っている方には当てはまる場合があります。
当然レンズが汚れていれば視力はでません。
ワンデータイプだったとしても目が乾いていれば見え方は霞みます。
デスクワークなど疲れた状態でも視力は安定しません。
覗き込むタイプの簡易測定器は正直結果は微妙です。
健康診断で視力のことを指摘されて来院される方の多くは、院内で新しいレンズをつけて5メートルの視力計でキチンと測定すれば「問題なし」で帰っていかれる方がほとんどです。
普段からの自覚が大事
上で健康診断の例を挙げましたが、結局「問題なし」で帰っていかれる方の多くが、
「普段は特に問題を感じていなかった」
と言われます。
それなのに、急に「視力が下がってます」って言われたらそりゃ不安ですよね。
視力測定はタイミングで変化します
視力が1.5ですよと1.0ですよというのは、ぼくはあまり信用していません。
検査員なのにって思うかもしれませんが、現場でもよくあるのことで、コンタクトの装着直後と、それから数分お話をして再度測定したときに同じ結果が得られないことは多々あります。
そんなわずかな時間でも結果が不安定になるのですから、数値の結果というのは正直ぼくはあてにはしていません。
じゃあ何を基準にしているかといえば、先ほどの装用直後の視力のみです。
コンタクトレンズの一番良い状態での視力が最大の視力ということです。
それ以上になることはないけれど、それ以下になることは測定するタイミングでありえるということです。
なので、毎日ふとしたときに視力を測ればこの数値はたぶんバラバラだと思っています。
普段生活しているなかで大きなお困りがない場合はだいたい問題はないんじゃないかなと。
眼科で分かること
もちろん、心配があれば眼科へ行くことが一番いいことだと思います。
その理由として、本当に視力が下がっているかどうかは機械で測定することができるからです。
眼科へ行くと機械を覗き込んで気球だったり、何かしらの絵を見せられることがあると思います。(眼科へ行ったことない人ごめんなさい)
あれはレフラクトメーターといって、あなたの目の屈折状態を測定することができます。
継続的にデータがあれば、本当に視力が下がっているのかわかりますよーってことです。
継続的でなくても、コンタクトレンズユーザーの方なら、今使っているレンズと比較して見えにくくなっているかもしれないなーとか予測できるわけです。
視力測定のことを自覚検査といいますが、機械で測定する検査を他覚検査というのですが、この他覚検査によってある程度、視力が下がったかもしれないということが「気のせい」か否かを予測することができます。
他覚検査も100%信じているわけではないので、自覚と他覚を合わせて納得してもらえる調整を目指しているわけです。
コンタクトにすると視力が下がるの?について
今までの話で、ある程度答えはわかるかもしれませんが、基本的にコンタクトレンズをするから視力が下がるということはありません。
ついでにメガネだからということもありません。
コンタクトレンズは結果論ということ
現在視力矯正をされている方は自分のことを思い出してみてほしいのですが、初めてコンタクトレンズなりメガネをしたときって、何もしてなくても視力が低下したわけですよね。
現在コンタクトレンズやメガネをしてても見えにくくなっていってしまう方もいますよね。
結局のところ、コンタクトレンズやメガネをしていても、していなくても、視力は変わってしまうものなんです。
コンタクトレンズやメガネはそれを快適に使えるように結果的に手段としているだけなので、常に後手にあたります。
視力を矯正することや、度数調整をためらう方もたまにいらっしゃいますが、結局見えにくかったら中途半端な度数や視力でいることの方がよっぽどストレスになってしまいますからね。
ただし注意しなければいけないこと
視力矯正について気をつけないといけないことがひとつだけあります。
それが「過矯正」です。
先ほど、度数調整をためらう方もいるといいましたが、その逆に恐れなしにガンガン度数を上げたがる方もいます。
視力にはピークがあり、個人個人でその山の高さは異なります。
必要以上に度数を強くしてもずっと右肩上がりに視力が上がり続けることはありません。
検査員も過矯正になっていれば、そうならないようにすすめるはずですが、中にはあまり話を聞いてくれない方もいます。
もっといえば、ぼくら検査員がやりたいことというのは、
「必要最低限の度数で遠くの見え方を合わせる」なんです。
仮に、1.5まで視力が出せる方がいたとします。
もちろん出るだけだしてくれといわれれば、1.5を出す最低限の度数を選択しますが、その方が1.0の合わせでも遠くの見え方が大丈夫だよと言ってくれれば1.0で合わせます。
それはなぜかといえば、「ラク」だからです。
ぼくらがラクなわけではなく、使用者の目の負担が少なくなるからということですよ。
矯正をするってことは、目に負荷をかけて遠くが見えるようにしているわけですから、必要以上の負荷はかけたくないわけです。
過矯正という状態は、視力があがっていないのに強い度数をかけている状態なので、不要な負荷がかかっているということになります。
この負荷が強すぎるとどうなるかといえば、
- 疲れやすくなる
- 近くにピントが合いにくくなる
こんな症状があります。
疲れるということは、先ほど上でお話した、「気のせい」で視力が下がった状態になりやすいということにもなってきます。
コンタクトにすると視力が下がるの?についてのまとめ
適切な度数調整をしていれば、コンタクトレンズやメガネが原因で視力低下することはありません。
しかし、過度な度数調整をしていると一時的な疲れから視力低下を疑ってしまう状態になることもありますので気をつけましょう。
さいごに
今回はコンタクトレンズと視力に関する話をしてきました。
健康診断のくだりは、やや愚痴になっていますが、本当に気のせいでしたってことが多いので書かせてもらいました。
まあ、それでも気になったら眼科へ行くのが一番ですし、かかりつけの眼科をもっておくと、自分の目のデータが集まるので、変化にも気づいてもらいやすくなります。